カテゴリー「短歌「塔」など自作掲載関連」の140件の記事

2016/06/22

「塔」16年6月号掲載歌

バスドラムウインドマシーン銅羅さえも「小物」とされる合奏打楽器

合唱で乗りて知りたり第九でもティンパニ奏者のお椀はふたつ

オリジナル編曲は楽器盛りだくさんこれを五人でいかに鳴らさん

ティンパニも鍵盤もできぬわれなれどマイシンバルで「小物」係す

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2016/05/18

「塔」16年5月号掲載歌

泡の中われにも宿るメデューサの十万匹の蛇かきむしる

まだ暗き路地の新聞配達のバイクを合図に街は動き出す

焦臭き鉄輪またぎて乗り込まん十五分遅れの列車の下の

亀の子は暗室で眠る日向ぼこを喜びそうな昼下がりにも

如月のタイツの中の今週のフットネイルはラメ入りの青

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「塔」16年4月号掲載歌

七草と節分豆と合格菓子正月四日のスーパーに有り

月詠を初めて落とした最新の「塔」に歌人はこんなにも居た

わが歌もわが名も無いがあの歌人この歌人の歌ただ読み進む

「塔」を開くまえに米研ぐべきだった急きょ夕餉のパスタを茹でる

脳内を八分の六拍子から七五調に切り替えて書く短歌原稿

しんしんと眠れぬ夜更けツイッターの自分の「いいね!」を一気読みする

心地よく時に厳しき百四十字面識もなき誰かのことば

1ヶ月遅れましたがこの月の掲載作。
田宮智美さんが選歌欄評で2月号掲載の拙作を取り上げてくださいました。
ありがとうございます。

子が育ち卒業したる学校の体操服は部屋着と変わる


田宮さんは(同じ名ということもあって)ご入会時から気になっている歌人のひとり。
余韻があってもっと読みたいと思うお作が多いです。

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2016/03/11

「塔」16年3月号掲載歌

百五十小節ぬちに二音でも打楽器単位でパート譜はある

パート譜にメロディは無く音源を聴き込む予習が特に不可欠

九枚のパート楽譜を振り分けて打楽器メンバー五人でこなす

曲中で譜めくりできぬドラム氏は四枚蛇腹を譜面台に置く

レンタルの大太鼓にばち付属せず棒に軍手をかぶせてしのぐ

バスドラムの大きなばちをシンバルに落とせば銅鑼に似た音が出る

水平のサスペンデッドシンバルにマレット落とし両手で止める

共鳴をさせる以上にミュートする技が大事な打楽器奏者


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短歌と打楽器のコラボはテーマとしては珍しいのでは?と自負。

でも一首として絵が浮かび内容が伝わらなきゃいけないから
やっぱり短歌表現テクニックは無意識にいろいろ使ってると思う。

「打楽器は簡単そう」そんなことないです。
「短歌はむずかしい」そんなこともないのです。慣れは要るけど。

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2016/02/18

「塔」16年2月号掲載歌

欠詠を決めた直後に欠詠に関する歌が次々と湧く

「塔」に入り十一年目の初欠詠を決めたこころはすぐ静もりて

パソコンの送信ボタンは封筒をポストに落とすひと押しに似る

子が育ち卒業したる学校の体操服は部屋着と変わる

使い捨てマスクの箱の大小が玄関に並ぶ初霜の朝


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前回1月号(出詠締切は昨年10月)は入会初の欠詠となりました。
ゼロではないけど一ヶ月に所定数の短歌がとうとう出なかった。
そして自分の名が本当にどこにもない「塔」が届いた夜
パラ読みしてみたら、逆に他の歌人の多さ多彩さに意識が向き。

そして読めば詠めるものです。刺激されてか次々と七五調が浮かんでくる。
夢中でメモしながらページも繰る、不思議な数時間でした。

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2015/12/22

「塔」15年12月号掲載歌

大太鼓小太鼓鉄琴トライアングル打楽器隊はほとんどがソロ

指揮棒の「し」の字の軌跡見逃すな一番下でばちをスタート

横目にて二枚シンバル担当と息を合わせてバスドラム打つ

パート内チームワークも大切で好きじゃないけど彼女に合わす

楽団の向こうの端でぶんぶんとうなるチューバの音にも合わす

ビギナーズラックは楽器にもありて出来てた曲で駄目出しを受く

気分よき日に来た『塔』は表紙から落ち込む日には後ろから読む


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選者の三井修さんに選歌後記で「パート内」を取り上げていただいた。

また選歌欄評で香西柚茉さんに10月号掲載の拙作へ
コメントをいただいた。ありがとうございます。


壁一面の弁当本に気圧されて飛田和緒の『常備菜』買う

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2015/11/19

「塔」15年11月号掲載歌

十六歳のケーキを待たず世を去りしわが甥っ子の無念を思う

子を亡くし傷心ならんその母はパート掛け持ちシフト詰め込む

ゆるゆると高層階に昇りゆくエレベーターにわが身も揺るる

生音で誰かが打ってくれてると思って合わせよメトロノームに

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2015/10/11

「塔」15年10月号掲載歌

壁一面の弁当本に気圧されて飛田和緒の『常備菜』買う

持ち帰る弁当袋の箸箱がリュックの中でリズムを刻む

「はじめてのおつかい」はもう録らないと高校一年充実の夏

いつもより泡を多めに飛ばしつつ新人美容師わが髪洗う

水面から鼻先出して餌を待つずっしり育ちし四年目の亀

ふやけると食べぬグルメな亀のため餌を七粒落としては待つ

満腹の亀の水換え済むまでにフットネイルもよく乾きたり


久しぶりに「作品2」前後の秀作欄に載せていただきました(前田康子さん選)
各欄まんなかの五十音順のところをいくら探しても見つからなくて焦りました。

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2015/09/16

「塔」15年09月号掲載歌

学歴が途中で分かれ兄弟でともに歌える校歌はひとつ

故郷の著名な山と川の名を刷り込まれ子は校歌で育つ

校歌とは別に小学校で歌わされ丸暗記した県民の歌

もう二度と語りを聴けぬ惚けたる父の言葉をふと思い出す

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2015/08/16

「塔」15年08月号掲載歌

SNS全くやってない人に出すお招きをポストに落とす

教師にもスピーチ下手なかたがいて「ですとか」「とか」「とか」「とかいう風に」

三台のコントラバスが電車を降り斜めにされてホームを進む

大きさの割に軽いか背負われて黒光りするチェロケースあり

膝下と手しか見えぬがぶんぶんとチューバの少女頬ふくらます

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