カテゴリー「題詠マラソン2005 白玉の100首(完結)」の34件の記事

2005/05/23

白玉的鑑賞マラソン11(過去ログ14より)

ラストスパートから二週間。やっとこさ虚脱感から抜けられそうな白玉です。

028:母 落合葉 2005年03月04日 (金) 12時42分
母の背と父の背丈を越えたのを感じたときになにか流れる

今まで注いでもらった愛を、これからは母と父へ、そして社会へ。

002:色 斉藤そよ 2005年03月04日 (金) 12時57分
いつのまにまた降りだした綿雪が色という色すいこんでゆく

大雪は別にして、雪はあらゆるものの色を消す。三句以降がいいですね。

018:教室 風花 2005年03月04日 (金) 13時22分
ラグーンの教室のよう岩陰にコバルト色の魚たち群れる

コバルトは制服の色でしょうか。日本の教室が一気に南の海に見えてきます。

007:発見 林義子 2005年03月04日 (金) 13時45分
恐竜の卵を発見したという孫に従き行き見る飛行船

飛行船が恐竜の卵とは。幼い子供の発想には大人はとてもかないません。

037:汗 春畑 茜 2005年03月04日 (金) 14時14分
いつしらに乳の香失せておさなごの眠れる髪に汗の匂える

子が四歳のころ同じ感慨を持ちましたが、こう上手くは詠めませんでした。

021:うたた寝 行方祐美 2005年03月04日 (金) 14時45分
うたた寝にひろがる春の日畳の香今なら書けるさよならの文(ふみ)

広い和室で畳の香に包まれるのも、贅沢なこととなりつつあります。

023:うさぎ さよこ 2005年03月04日 (金) 15時19分
北西の風に波立つ海面のさまを思えりうさぎがとぶと

うさぎから海原を連想する、その発想の飛躍と豊かさにひかれました。

017:陸 田貫 砧 2005年03月04日 (金) 15時34分
ランドセル・カレー・詰襟・正露丸…あなたの側に明治陸軍

言われてみればどれも明治の遺産、それも軍の。着眼点が見事です。

001:声 岩崎恵 2005年03月04日 (金) 15時53分
「撮ってるよ、こっち向いて。」という声が遺品のビデオから溢れ出す

そして見ていたかたがたの涙も、溢れ出したことでしょう。

002:色 西村玲美 2005年03月04日 (金) 16時18分
水底の虹の色こそ触れたけれ我がてのひらを器となして

空の虹より身近に見えて、手にとろうとしてもするりと逃げてしまう。

005:サラダ 樹里 2005年03月04日 (金) 18時17分
左手に白きリングの跡残しサラダ食む朝獏にもなれず

道ならぬ逢瀬のきぬぎぬでしょうか。現実に戻りたくない気持ちが伝わります。

017:陸 葛城 2005年03月04日 (金) 18時39分
陸(おか)に棲み長きを経しも魂は海へ還ると君は決めおり

海と長く、深いかかわりを持って生きた「君」、どんな方なのでしょう。

006:時 あきひろ 2005年03月04日 (金) 18時45分
亡き母の二十回忌もまた同じ曇り時々小雪の舞う日

節目の日に同じ天気になり、時を経たお母さまの思い出もより鮮明に。

043 馬 冬野由布 2005年03月04日 (金) 19時14分
将棋にはさして興味はいだかねど桂馬飛びには誘惑される

年配の将たちの中に一人若い男性が交じっているような、駒の動きに。

003:つぼみ 唐津いづみ 2005年03月04日 (金) 19時52分
かたくかたく結ばれしものひらくとき放たれるものつぼみは知らず

とても象徴的です。花が咲けばつぼみではなくなり、もう戻れない。

005:サラダ 中村成志 2005年03月04日 (金) 19時57分
おとこにもブルーチーズをかけ過ぎたサラダが欲しい時はあるんだ

そうなんですか?ブルーチーズを選んだあたり、妙に説得力があります。

015:友 岩井聡 2005年03月04日 (金) 20時18分
少年は血と日焼けとで出来ていて永遠も死も光る友だち

これらだけではなくなった瞬間が、青春の終わりなのかもしれません。

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2005/05/15

完走者選歌ありがとうございます

拙作十首が鑑賞サイトに引用されました。
丹羽まゆみさん、いつもありがとうございます。

ブログ「All my loving ♪」

「白玉だんごさん 10首選」
   (007:発見/016:たそがれ/018:教室/019:アラビア/031:盗/
    032:乾電池/052:螺旋/057:制服/077:櫛/087:計画 以上引用のみ)

ちょっぴり自信がついたり、意外なセレクションに驚いたり・・・
お時間をさいてわたしの百首に向き合ってくださったこと、ありがたく思います。

今後は鑑賞マラソンにて伴走の予定です。またよろしくお願いいたします。

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2005/05/11

完走者選歌ありがとうございます

拙作「005:サラダ」が鑑賞サイトに引用されました。
美里和香慧さん、ありがとうございます。

ブログ「短歌ブログ Popん?TANKA」

「完走者選歌21&返歌」 5/8付(005:サラダ コメント・返歌付)

完走者選歌、コメントに返歌、ありがとうございました。
三月の寒い日にはホットサラダ、いいですね(*^v^*)

今後は鑑賞マラソンにて伴走の予定です。またよろしくお願いいたします。

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2005/05/07

白玉的鑑賞マラソン10(過去ログ13より)

マラソンは無事完走いたしました。引き続き鑑賞のほうも完走をめざします。

005:サラダ 浜田道子 2005年03月03日 (木) 23時00分
旅に出て据え膳となる女らはサラダしゃきしゃき音立てて食む

女同士の気楽な旅行。夕食の席のはしゃぎぶりが聞こえるようです。

012:メガホン 岩波ラスミチ 2005年03月03日 (木) 23時15分
「メガホンは武器なんだ」って思ってるアイツだけには持たせちゃダメだ!

確かにあの形状はハリセンの代役向きでしょうけど、アイツにご用心。

012:メガホン 尾崎弘子 2005年03月03日 (木) 23時27分
メガホンが空に浮く日は小声でも何もしやべつてはいけないのです

壁に耳あり?せめて開放感あふれる屋外ではのびのびしたいのに。

007:発見 愛観 2005年03月04日 (金) 02時27分
気づかないふりをしている恋がある発見されない化石みたいに

目に入っても見ていないのか、わざわざ掘って確かめたくないのか。

039:紫 冬野由布 2005年03月04日 (金) 06時52分
禁色の紫の布染め上げる男はある日つぼになりたり

結句のオチが謎めいています。染物の甕そのものに?骨つぼに?

007:発見 宵月冴音 2005年03月04日 (金) 07時03分
発見す眠れぬ夜の雨上がり夜明けの空のかくも広きを

雨に洗われて、日の出を待つ空はさぞ美しかったことでしょう。

054:靴下 船坂圭之介 2005年03月04日 (金) 08時11分
圧殺の他なきものを持つゆえの重きあゆみに湿る靴下

下へ、下へ。あらゆる措辞がずっしりと質量を感じさせます。

014:主義 はぼき 2005年03月04日 (金) 08時34分
お互いの主義と主張を織り込んで二人一つの布を目ざそう

縦糸と横糸の質感の違いが、味わいのある布を生みだすことでしょう。

012:メガホン おさと 2005年03月04日 (金) 10時11分
叩くこと拡声することに意義ありてメガホンとはメディアにも似たり

そうか!あの機能は。比喩以上の説得力があり深く考えさせられます。

009:眠 鈴木英子 2005年03月04日 (金) 10時56分
長方形に子らの睡眠 かあさんは正方形三つくらいを眠る

睡眠時間のグラフですね。わたしも母なので思わずうなずいてしまいました。

006:時  望月暢孝 2005年03月04日 (金) 10時59分
さくら咲く樹の真下より仰ぐ空は親しき時とは別の顔をする

美しい桜の枝も、空好き(の作者)が空を見るには時に邪魔者?

016:たそがれ 風花 2005年03月04日 (金) 11時26分
豊穣な羅臼の海の流氷を青く染めぬく冬のたそがれ

絵葉書のような美しい自然詠。この光景を生で見てみたいです。

002:色 黒河更沙 2005年03月04日 (金) 11時58分
「きっと君、恋をしてるね?ビー玉の色がわづかににごってゐるよ」

こう告げた作者の観察眼。実は恋心を抱いているのは作者のほうかも。

020:楽 春日山 2005年03月04日 (金) 12時22分
重き荷を背負ひて山を登り越へ宿の湯船に極楽を見る

お疲れさまでした。手足を伸ばしてゆったりなさってくださいね。

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題詠マラソン 077:櫛~100:マラソン

(05/5/7投稿 過去ログ72収録)

077:櫛
子の髪に櫛滑らせる背後からそっとつむじに手を置いてから

078:携帯
肝心な時に使えぬ携帯用針糸クリップ輪ゴム割箸

079:ぬいぐるみ
ぬいぐるみの熊のみかちゃん抱く子が唱える歌は「みかの原」なり

080:書
お手紙を書きつつ四歳「<作ろう>は<ろ>なのそれとも<とに点々>」と

081:洗濯
おだやかな午前の空はどこへやら洗濯物を急ぎ取り込む

082:罠
初心者の陥る罠や無謀さを指導者は知るどの分野でも

083:キャベツ
地平よりフレンチナッツステッチのさみどりが来るキャベツ高原

084:林
お料理も口も達者で名も似てる「大山のぶ代」と「小林カツ代」

085:胸騒ぎ
静寂を破る電話に胸騒ぎ覚えて出ればセールスの声

086:占
楽器占いがあるなら占ってウッドベースを弾いてみたいの

087:計画
計画は倒されるべく立てられるわら半紙上に七月半ば

088:食
いいかげんネタ切れぬのか健康雑誌「よい食品」が次から次へ

089:巻
美容師の腕手際よく三人にホットカーラー巻いてはほどく

090:薔薇
職場より父持ち帰りたる三輪のピンクの薔薇を絵にする姉妹

091:暖
如月の窓ふき網戸洗い終え暖かき部屋われを待ちおり

092:届
夜更かしのつもりが勝負見届けず一人一人と寝入る年越し

093:ナイフ
倒さずにナイフは構え手応えをよく聴き音をよく見て使え

094:進
重鎮の短歌入門熟読す河の向こうに歩を進めんと

095:翼
空港の青空を背にモノレールや尾翼が見えて子ら声あげる

096:留守
「また見てる」と言われたくないお気に入りビデオは家族の留守の楽しみ

097:静
送別の宴を終えて十八の彼の足取りふと静かなり

098:未来
録画とは未来の時間を食いつぶし過去をわざわざ繰り返す技

099:動
汗の塩残る体操服洗う運動会の夜の洗濯機

100:マラソン
アスファルト硬き坂でも待ち受ける声援うれしマラソンロード

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2005/05/06

題詠マラソン 073:額~076:リズム

(05/5/6投稿 過去ログ72収録)

073:額
金額はともあれ毎月小遣いが貰える入学待つ年長児

074:麻酔
麻酔科医以外の医者は専門を自由に名乗れる「自称」の看板

075:続
風呂上りくしゃみをしおに小説に栞はさんで続きは明日

076:リズム
リズム感才能あるとの親馬鹿の目も改まる参観日かな

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題詠マラソン 071:次元・072:インク

(05/5/6投稿 過去ログ71収録)

071:次元
四次元の意味を幼に尋ねられ言葉に詰まる午後のリビング

072:インク
恩師からの賀状は変わらぬ青インク通信簿より二十年経て

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2005/04/27

白玉的鑑賞マラソン9(過去ログ12より)

久々の更新です。だいぶ遅れてしまいましたがまたぼちぼち参ります。

006:時 黒田康之 2005年03月03日 (木) 15時26分
この街に今いる人の時計みな全て等しく十二時を指す

奥村晃作の「運転する人みな前を向く」を思い出しました。納得させる描写。

004:淡 舟橋剛二 2005年03月03日 (木) 17時17分
淡雪の淡という字の激しさよせめてこの火のひかりを君に

言われるまで気づきませんでした、「淡」の字に火がふたつもあったとは!

004:淡 田咲碕 2005年03月03日 (木) 18時59分
冬の夜の散歩安しや 泳げずも淡々と浮く月もひとりぞ

月が泳げずに空に浮くという視線は、このシチュエーションならではのもの。

001:声 湯山昌樹 2005年03月03日 (木) 20時04分
若人の声あげ走り来るごとく弥生の庭にクロッカス咲く

クロッカスの勢いがよくわかります。どんな声が聞こえましたか。

008:鞄  中村悦子 2005年03月03日 (木) 20時20分
あのひとの形見に思い出はつめぬ極楽蛇の虹の鞄よ
012:メガホン  中村悦子 2005年03月03日 (木) 22時47分
不等号記号のようなメガホンでたまには叫ぶ「愛してますかっ!?」

どんな鞄なのか、メガホンで誰に叫ぶのか、どちらの歌も気になります。

001:声 杉山理紀 2005年03月03日 (木) 20時57分
右頬のふれるあたりで暮れていくあなたの声の無口な凍土

あなたがどんどん無口・無表情になっていく。怖いような観察です。

014:主義 穴井苑子 2005年03月03日 (木) 21時08分
ポイ捨ては絶対しない主義ですがカバンの中はゴミだらけです

大きくうなずいてしまいました。実は私も・・・って読者、実は多いかも。

004:淡 冨樫由美子 2005年03月03日 (木) 21時32分
淡雪ははるかな国の子供らの笑ひのかけら、眠りの端布

結句が飛びすぎ?とも思いましたが、淡雪を見る目が変わりそうです。

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2005/04/17

題詠マラソン 061:じゃがいも~070:曲

(05/4/16投稿 過去ログ63収録)

061:じゃがいも
ばあさんとのなれそめ?それは内緒じゃがいもうとみたいに可愛い娘(こ)じゃった

062:風邪
おしょうゆを三滴塩はひとつまみ風邪の喉に優しき重湯

063:鬼
銀易く緑は難し色鬼の子らの足音響く通路で

064:科学
 今は書店で入手します
放課後に小学校の中庭で毎月もらった『科学』と『学習』

065:城
金ぴかのロゴが光って回るのはCGの技『城南予備校』

066:消
カサブタの消えた後でも膝を見て怪我思い出し痛いふりする

067:スーツ
乗り換えの駅階段に幼子とスーツケースを抱える男

068:四
さんずいは漢和辞典の四画の部にあり学びに遅かりしは無し

069:花束
木曜日午後九時半の改札に彼は待ちおり花束抱え

070:曲
書きつけに「子供のボレロ」曲でなく何か長袖買ってやらねば

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2005/04/10

題詠マラソン 051:泣きぼくろ~060:影

(05/4/10投稿 過去ログ60収録)

051:泣きぼくろ
目の下に泣きぼくろ持つひともあり目尻の先に持つひともあり

052:螺旋
螺旋(ねじ)巻けばきしみ伝わり指先を離せば命吹き返す時計

053:髪
ぬばたまの黒髪光りまなざしも強き韓国ドラマの女優

054:靴下
わが爪はピンセットと化し靴下の棘外しゆくキャンプ土産の

055:ラーメン
修行するラーメン店主の番組を見るたび疑う調理師免許

056:松
公園で桜吹雪を浴びながら子らが興じる松葉合戦

057:制服
二度と着ぬ制服の名の布外す鋏の先に糸絡まりて

058:剣
登りたき駅階段のわが先に剣道具持つ黒の集団

059:十字
中東の赤十字社は十字架を避けて「赤新月社」と名乗る

060:影
マヤちゃんを導く声も姿勢さえ凛としており月影先生

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