« 五月野さつき、再び | トップページ | 「塔」07年11月号掲載歌 »

2007/11/16

「塔」07年10月号<若葉集・吉川宏志選>15首選

盛岡を捨てたと父は云つたけど私が盛岡に捨てられたのだ 飯村みすず

セイシェルの海を四角く切り取って西児童館に置いたのは誰 早石恵子

「豆腐屋です」家業を継ぎし青年の早朝の声とわに断たるる 古栗絹江

杜若畦に黄色を並べおり 田植え終わりし田と田と田 今井由美子

畳まれし材木店に住みつきし闇がグァオーンと吠えてる真昼 小川孝子

積まれたる病理標本見てゆきぬ背後の人生思う間もなく 近藤武史

疑惑すら持てぬ愛にも慣れてきてきみと歩めば鳳仙花見ゆ 辻村千尋

「アンネのさかくれ家うちより広いじゃん」それも真実六十年後の夏 中山悦子

いくたびも鍵盤たたけど「海」は尚長き時間を我に求むる 服部知子

あれ程に教へくれしに亡き母よ紅きほほづき今も鳴らない 福地公子

薄桃の錠剤一つ口にする明瞭な脳を取り戻す儀式 森下陽子

ペルシャ猫みたいにしゃべる君が不意に咳をしてああヒトでよかった 吉岡昌俊

廃村の井戸汲むごとく初孫は末期の祖父の膝で跳ねおり 沼尻つた子

老人会がお世話しているサルビアです血潮脈打つほどの勢い 石川えりか

手術日の待合室の家族らの手にはそれぞれ文庫本のある 河端千紗子


ようやく10月号の本文を読破し、自分なりの選歌を終えられた。
入れ違いに早くも「塔」11月号が投函されたから、引続きまた最初から
11月号の歌を読んで選ぶ作業に入る。つねに「塔」を持ち歩き、
わずかな時間を見つけて数ページずつ点やマルをつける生活にも
慣れてきたが、若葉集の直後に月集の歌を読むと・・・(今度書きます)

|

« 五月野さつき、再び | トップページ | 「塔」07年11月号掲載歌 »

短歌「塔」掲載歌を読む」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84660/17094009

この記事へのトラックバック一覧です: 「塔」07年10月号<若葉集・吉川宏志選>15首選:

« 五月野さつき、再び | トップページ | 「塔」07年11月号掲載歌 »